大津事件(勿論、明治時代の方)

日本を訪問中であったロシア帝国の皇太子ニコライが、警察官の津田三蔵に斬られて負傷した。

津田がすぐさま捕らえられたことでニコライは死に至らずに済んだのだが、それはそれで後々問題になってくる。


日本政府は津田三蔵を死刑にしたい。

何かそんな感じのタイトルの漫画やらアニメやらがあった気がしないでもないな

まあとにかく日本政府は津田三蔵を死刑にさなければならなかった。

なぜなら相手はロシアだから。

報復でもされたらひとたまりもない。

しかし当時の法律上、死刑にはならなかった。



日本政府はよくやったよ。皇室に対する罪をこの件に適用しようとした。

まあ要するに、ロシアからの報復にビビり倒して津田三蔵を死刑にするために奔走したのだ。



当時の日本法が外国の皇族等に対する犯罪を想定していたとはいえない。

それを外国人皇太子に適用することはできない。

故に謀殺未遂…すなわち無期徒刑にしかならないのだ。

裁判所は司法の独立を主張した。

まったくだ。

司法に介入が許されるなどあってはならない。勿論この時に他にも問題はあったわけだが、

だからといって司法への介入は絶対に許してはならない。

児島惟謙は法治国家における法の重要性を説いた。

結局そうこうしているうちに津田は無期徒刑となる。

どのみち近いうちに死んでしまっているので結果論としてはあまり変わらないようにも思えるが、重要なのは「司法の独立を守ろうとした」という過程である。

結果は結果。過程は過程。

どちらを蔑ろにしてもいいとか、そういうのはないのである。